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中古マンション、都心は底値から4割高

 東京五輪で注目される湾岸エリアのマンション群

大都市圏の中古マンションが値上がりしている。東京23区では、2012年7月の安値3922万円から、14年10月の4256万円まで8.5%上昇した(70平方メートル換算、以下同じ、東京カンテイ調べ)。

背景にあるのは新築マンションの供給不足だ。リーマンショックで中小デベロッパーの多くが倒産した後、マンション市場は大手の寡占となった。そのため、首都圏(1都3県)の新築マンション年間発売戸数は、リーマンショック前の8万戸台から、今年は4万戸前後と半減の見通し。新築を希望しても、住みたいエリアに売り物が出にくい状況で、中古購入へ切り替えるケースが増えている。

新築の上昇に連動

新築価格の上昇に中古価格が連動している面もある。資材費や労務費の上昇で新築の建設費は高騰している。それでも、2年前から円が対ドルで3割以上も減価したため、海外の不動産に対して日本の不動産は割安になっている。中国、シンガポールなどアジアから投資マネーが流入し、好立地の不動産の価格を押し上げている。

中古物件は、値上がりしているとはいえ新築より2~3割は安い。近年ではリフォームにより新築並みに造り替えることも可能になった。金融機関もリフォーム代込みの融資を積極的に展開している。

4月の消費税率引き上げも中古には有利に働く。個人間の売買では消費税がかからないことから、消費税が上がるほど、新築よりも中古の価格競争力が増す。

こうした事情を知ってか、足元では、売り手側が出し惜しみをする傾向が見られる。個人向け仲介で最大手クラス、住友不動産販売の14年度上期(14年4~9月)の営業利益は、前年同期比20.5%減少した。需要はあるのに、販売物件数が集まらないことがその主因。完全に売り手市場となっている。

ただ、中古マンションの価格は東京都心の千代田区で、今年9月には8304万円まで上昇し、リーマンショックの前のピークである07年9月の8044万円を突破した。09年4月の安値5850万円からは、実に40%超の上昇である。東京五輪で注目の湾岸エリアを含む江東区では9月の価格が3847万円で、07年12月の高値3918万円に接近している。

さいたまや千葉は横ばい

「バブルとは考えていないが、そろそろ警戒すべき水準。上昇がさらに加速する可能性は低い」と、東京カンテイの高橋雅之主任研究員は言う。

中古マンションの価格が上昇しているエリアは限られる。首都圏でも、さいたま市や千葉市は横ばい傾向。業績好調なトヨタ自動車のおひざ元でリニア新幹線への期待もある名古屋市も、価格上昇が鮮明なのは中心3区(中区、東区、千種区)のみ。名古屋市全体ではほぼ横ばいだ(上図)。

アベノミクスによる株高で潤ったのは一部の人。多くの人は物価高により実質給与が減少している。中古マンション価格の上昇は、あくまで局地的な現象といえそうだ。

週刊東洋経済12月6日記事により

 

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